Current Status of Dairy and Livestock Farming in Hokkaido 北海道の酪農畜産経営の現状

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GLOSSARY

用語解説

当ページでは、使用されている専門用語について、「この数値で何がわかるのか」といったポイントを交えながら、わかりやすく解説しています。

経産牛1頭あたりの平均乳量

用語説明

1年間に1頭当たりの牛が出すミルクの量

この数値で何が分かるか?
  • 飼い方が上手くいってるか
  • エサの質や量は適切か
  • 牛がストレスなく健康に過ごせているか など、牛がどれだけ本来の力を出せているかを見る目安になります。
ポイント
  • 同じ頭数でも、乳量が多ければ収入も増えます。
  • エサ代や管理コストに対して、効率が良いかどうかが分かります。
  • 搾乳ロボットやTMRなどを導入した農家では、乳量アップの傾向もあります。

平均乳脂肪率

用語説明

牛乳に含まれる脂肪がどれくらいの割合で入っているかを表す数値

この数値で何が分かるか?
  • エサの質や種類(乾草を多く与えると上がる傾向)
  • 牛の健康状態(乳房炎など)
  • ストレスや暑さ寒さ
  • 搾乳回数や間隔
ポイント
  • 乳量が多くても、脂肪率が低いと収入が減ることもあります。
  • 乳脂肪率と乳たんぱく率を合わせて見るのが基本です(「成分のバランス」)。

平均無脂固形分率

用語説明

牛乳から脂肪をのぞいた残りの“栄養分”の割合を表す数値。乳糖(ミルクの甘み)やたんぱく質、ミネラルなどの固形成分がどれだけ入っているかを示します。

この数値で何が分かるか?
  • エサの質やバランス(炭水化物中心に偏ると下がる傾向)
  • 牛の健康状態(下痢や病気で吸収が悪くなると低下)
  • 水分の摂りすぎや乳の希釈化も影響します。
ポイント
  • 乳脂肪率だけでなく、無脂固形分率も見てバランスをとることが大切です。
  • 「乳量が多い=良い」ではなく、「中身がしっかり=良い乳」という視点が重要です。

平均初産月齢

用語説明

雌子牛が生まれてから最初に子を産むまでの月齢(何か月か)の平均

この数値で何が分かるか?

繁殖管理の良し悪しを表す目安です。初産が遅れると、収入が発生するまでの期間が長くなり、飼養コストがかさみます。

悪くなる原因
  • 発育不足(体重が足りない)
  • 発情の見落としや交配ミス
  • 病気や栄養不足による発情の遅れ
  • 繁殖スケジュールの見直しが必要
ポイント

適正に管理すれば、乳牛としてのスタートが早く、経営的にも有利です。

平均分娩間隔

用語説明

1頭の牛が前回の分娩(出産)から次の分娩までにかかった日数の平均のこと。どれくらいのペースで子を産んでいるかを見る指標

この数値で何が分かるか?
  • 分娩(出産)をしないと、牛は乳を出し続けられない
  • 出産の間隔が長くなると、乳量が減る時期が長くなってしまい、収入が落ちる
  • 間隔が短すぎても、母牛の体に負担がかかる
悪くなる原因
  • 発情の見逃し
  • 受胎率が低い(種付けがうまくいっていない)
  • 病気や栄養状態が悪い
  • 子牛の分娩時トラブルによる回復の遅れ
ポイント
  • ちょうどよい間隔で安定して子を産んでもらうことが、乳量・健康・経営のバランスを保つカギ
  • 長くなると乳量も収入も落ちるため、発情管理や種付けの成功率を上げることがカギ

平均産次数(期末時)

用語説明

その農場で飼われている乳牛の期末時点における産次数の平均値

この数値で何が分かるか?

その農場で代われている牛の若さの平均値

悪くなる原因
  • 病気や事故で早く淘汰される(乳房炎、蹄病、起立不能など)
  • 繁殖がうまくいかず、妊娠できずにやめる
  • 体型や性格などで管理しづらく淘汰
ポイント
  • 健康・繁殖・飼養管理の改善で、1頭を長く使う経営が可能になる

除籍牛平均産次

用語説明

1年間に農場からいなくなった(除籍された)牛が、平均で何回出産していたかを表す数値です。除籍牛=病気や繁殖不良、事故などでやむを得ず飼育をやめた牛。つまり、農場を去る牛たちが“どれだけ働いてくれたか”の平均値とも言えます。

この数値で何が分かるか?
  • 若いうちにやめてしまう牛が多いと、この数字は低くなる
  • 長く乳を出し、たくさん出産した牛が多い農場では、高くなる
  • 育成にかかるコストを回収できるかどうかの判断材料にもなる
悪くなる原因
  • 育成不良(未熟なうちに分娩→早期にトラブル)
  • 乳房炎や起立不能、繁殖障害
  • 発情見逃し、交配の遅れ
  • 飼料設計や管理の問題
ポイント
  • 1産・2産でやめる牛が多いと、育てたコストが回収できない
  • 健康管理・発情管理・牛群選抜の改善で寿命を延ばすことが可能

経産牛淘汰率

用語説明

1年間に経産牛(出産経験のある牛)が何頭淘汰されたかを割合で表したもの。➡ 経産牛の中で、何割が1年の間に“いなくなった(淘汰された)”かを示す指標

この数値で何が分かるか?
  • 乳量を出す主力=経産牛がどれだけ維持できているかの目安になる
  • 淘汰が多すぎると、後継牛の育成が間に合わず、育成にかかる費用が増加する
  • 健康管理・繁殖管理・事故防止など、総合的な飼養成績が反映される
悪くなる原因
  • 高泌乳化
  • 繁殖不良・分娩事故・乳房炎などによる早期淘汰
  • 体調不良・起立不能などの病気・事故
  • 性格や乳房形状などによる管理困難牛の選別淘汰
  • 後継牛が余っているための計画的更新(必ずしも悪いとは限らない)
ポイント
  • 経産牛淘汰率が高すぎると、安定した乳量の確保が難しくなる
  • 繁殖の成功率アップ・病気の早期対応・事故防止が改善のポイント
  • 後継牛を確保して、良い牛を長く使う経営を目指す

受胎までの授精回数

用語説明

1頭の牛が妊娠(受胎)するまでに、何回授精(人工授精)を行ったかの平均を示す数値です。つまり「妊娠が1回で決まるか、2回以上かかってしまうか」を見る指標です。

この数値で何が分かるか?

授精回数が少ない=受胎率が良く、繁殖管理がうまくいっている。回数が多い=授精のタイミングが合っていない、健康・栄養状態に問題がある可能性。回数が増えると、授精費用・飼養期間が伸びてコストアップ。➡ 経営にとっても、発情発見・繁殖成績のチェックに欠かせない指標です。

悪くなる原因
  • 発情の見逃しや誤判定(授精のタイミングが合っていない)
  • 子宮炎・栄養不足・過肥・分娩後の回復不良などの健康問題
  • 種付け精液の管理・技術的な問題(凍結・解凍・注入位置など)
ポイント
  • 理想は1回での受胎。平均2回以内を目標
  • 回数が多いと、費用・手間・期間がかかる
  • 発情発見の精度、分娩後の健康回復と栄養管理がカギ
  • 授精成績を記録し、「誰が・いつ・何回目で成功したか」を見える化することが重要

空胎日数

用語説明

牛が最後に子どもを産んでから、次に妊娠(受胎)するまでにかかった日数のこと。つまり、「出産してから、また妊娠が決まるまで、どれくらいかかったか?」を表す。

この数値で何が分かるか?

牛は出産しないと乳を出し続けられない。空胎日数が長い=次の出産が遅れ、乳量が減る期間が長くなる。空胎日数が短すぎても、母体の回復が不十分で健康に悪影響。➡ 適度な空胎日数を保つことで、「乳をたくさん出して、健康に長く働ける」牛になる。

悪くなる原因
  • 発情の見逃し
  • 授精しても妊娠しない(繁殖障害・体調不良)
  • 分娩後の回復不良や子宮炎
  • 種付けの遅れ(管理上の判断ミス)
ポイント
  • 空胎日数は「乳量と収益に直結」する重要な数字
  • 発情管理と分娩後の健康回復がカギ
  • 授精成績を記録して、どの牛が長く空胎になっているか早めに把握することが大切

乳飼比

用語説明

乳代のうち、どれだけが購入飼料代に使われたか? を表す。つまり、「乳を売って得たお金の何割を飼料代に取られているか?」という視点です。

この数値で何が分かるか?

購入飼料費は酪農経営の中で最も大きな支出。「買った飼料で、どれだけ売上を上げたか?」を見ることで、飼料の使い方が適切か?儲けが出ているか?を把握できる。

ポイント
  • 購入飼料費が高すぎると、利益が残らない
  • 乳量を伸ばすだけでなく、飼料のコストパフォーマンス改善(無駄を減らす・自給飼料の活用)がカギ
  • 乳飼比は経営の健全度を測る体温計のような指標

生乳1㎏あたりの生産コスト

用語説明

1kgの牛乳を生産するのに、いくらの費用がかかっているかを示す数値です。

この数値で何が分かるか?
  • 生乳販売価格(kg単価)と比べて、儲けが出ているか?赤字か?
  • 経費を見直すときの「経営のモノサシ」
  • 他農家や標準経営と比べてコストのかかりすぎている部分を発見するのに使います。